【獣医解説】夏〜秋に急増!愛犬のかゆみ・フケ・赤み「夏の犬の皮膚トラブル」と家庭でできるケア

暑さが厳しい夏から秋口にかけて、「最近うちのワンちゃんが足や体をしつこく舐めている」「お腹や脇の下に赤いブツブツができている」「フケや抜け毛が増えて体臭が気になる」といったお悩みが急増します。
夏場は高音多湿な気候によって、犬の皮膚表面に存在する細菌やカビ(真菌)が爆発的に繁殖しやすい季節です。さらにエアコンによる室内乾燥や散歩時の草むらでのアレルゲン接触など、皮膚バリア機能が低下する要因が揃っています。
単なる「換毛期の抜け毛」や「一時的なかゆみ」だと思って放っておくと、強いかゆみでかき壊してしまい、皮膚炎が全身に広がってしまうこともあります。
「横浜上永谷あお動物病院」が、夏に増える代表的な皮膚病、見落としたくないSOSサイン、ご家庭で実践できるスキンケア(シャンプー・保湿・環境整え)と受診の目安を分かりやすく解説します。
なぜ夏〜秋に犬の皮膚トラブルが増えるのか?

犬の皮膚は人間の約1/3〜1/5ほどの厚さしかなく、非常にデリケートです。夏特有の環境が皮膚のバリア機能を脅かしています。
1. 高音多湿による「常在菌(細菌・カビ)の増殖」
犬の皮膚には普段から無害な常在菌が存在していますが、夏の高温・多湿や汗・皮脂の過剰分泌によって、「ブドウ球菌」や「マラセチア菌」が一気に増殖し、炎症を引き起こします。
2. エアコン(冷房)による「乾燥とバリア機能の低下」

室内で冷房をかけ続けると空気が乾燥し、皮膚の水分が失われます。バリア機能が低下した皮膚は、少しの刺激やアレルゲンにも過敏に反応してしまいます。
3. 草むらやダニ・花粉などの「アレルゲン接触」
散歩時に草むらへ入ることで、ノミ・マダニや雑草の花粉、ハウスダストなどに接触し、アレルギー性皮膚炎を発症・悪化させるケースが増加します。
■ 代表的な3大「夏〜秋の犬の皮膚病」

夏場に当院で特に多く診られる皮膚疾患は以下の3つです。
1. 膿皮症(のうひしょう)
ブドウ球菌が増殖することで起こる皮膚の細菌感染症です。お腹や背中、脇の下などに円形の赤み、ぽつぽつとした発疹、黄色のフケ、ポロポロと皮がむける症状が現れます。
2. マラセチア皮膚炎
酵母菌(カビの一種)が増殖して起こります。指の間、耳、首周り、脇の下などが赤くべたつき、独特の強い脂臭いニオイがするのが特徴です。
3. アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎
環境中のアレルゲンや食物が原因で起こります。目の周り、口元、足先、お腹などを激しくかきむしったり、舐め続けたりします。
■ これが見られたら受診を!皮膚のSOSサイン

愛猫・愛犬に以下のような変化がないかチェックしてみましょう。
- 足の先(肉球の隙間)を頻繁にガジガジ舐めている
- 後ろ足で体を激しくかいている、床に体をこすりつける
- 皮膚が赤く腫れている、ブツブツができている
- フケが大量に出る、毛が束になって抜ける
- 身体から脂っぽいニオイや酸っぱいニオイがする
【かき壊し(二次感染)に注意!】 かゆみに耐えかねて強い力でかきむしると、皮膚に傷がつき、そこからさらに細菌が入り込んで症状が悪化(二次感染)する悪循環に陥ります。傷ができる前に早めの受診をおすすめします。
今日からできる!家庭での皮膚ケア・予防法

薬による治療だけでなく、日頃のホームケアが皮膚トラブルの予防と早期改善に不可欠です。
1. 適切なシャンプーと十分なすすぎ
ぬるま湯(30〜35℃程度)で優しく洗い、皮膚にシャンプー成分を残さないよう念入りにすすぎます。ドライヤーの温風は皮膚を乾燥させるため、冷風やタオルドライを中心に行いましょう。
2. シャンプー後の「保湿ケア」
洗顔後に保湿をする人間と同じように、犬もシャンプー後は皮膚が乾燥します。犬用の保湿スプレーやローションで水分を補いましょう。
3. 散歩後の足ふきとブラッシング

散歩後は固く絞った濡れタオルで足や体を優しく拭き取り、花粉や汚れを落とします。日頃の丁寧なブラッシングで不要な抜け毛を取り除き、通気性を良くすることも効果的です。
■ まとめ:皮膚のかゆみや赤みは早めにご相談を(H2)

犬の皮膚トラブルは原因(細菌・カビ・アレルギー・ホルモン等)によって対処法や使用するお薬・薬用シャンプーの種類が全く異なります。間違ったケアで悪化させてしまう前に、ぜひ一度当院にご相談ください。
当院では、皮膚のスタンプ検査や培養検査を行い、その子の皮膚状態に合わせた治療法やスキンケア指導を行っております。
