【獣医解説】夏から秋に急増!愛犬の「目やに・充血・目をショボショボさせる」原因と正しい目のケア方法

8月後半から秋口にかけて、「うちのワンちゃんが片目をしきりに気にしてショボショボさせている」「朝起きると目やにがびっしりついている」「白目の部分が赤く充血している」といった目(眼科)のトラブルでご来院される飼い主様が急増します。
夏場から秋口にかけては、強力な紫外線、エアコンの風による「目の乾燥(ドライアイ)」、お散歩中の草むらでの擦れ、室内での扇風機やサーキュレーターの風によるホコリの舞い上がりなど、犬のデリケートな目を刺激する要因が一年の中で最も多く重なる時期です。
「ただの目やにかも」と放置したり、人間用の市販の目薬を自己判断で挿してしまうと、角膜(目の表面)に傷がついている場合に症状が著しく悪化し、角膜穿孔(かくまくせんこう)などの重篤な状態に陥る危険があります。
「横浜上永谷あお動物病院」が、夏から秋に犬の目トラブルが増える理由、見逃せないSOSサイン、やってはいけないNG処置、ご家庭での正しい目のケア方法を分かりやすく解説します。
■ なぜ夏〜秋に犬の「目のトラブル(結膜炎・角膜炎)」が増えるのか?

犬の目は人間よりも地面に近く、顔の構造的にも外部からの刺激を受けやすい特徴を持っています。
1. エアコンや扇風機の風による「目の乾燥(ドライアイ)」
冷房をつけっぱなしにする季節は、室内の湿度が低下し目が乾燥しやすくなります。また、エアコンやサーキュレーターの風が直接顔に当たると、涙の膜が蒸発して目の表面を保護するバリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。
2. 強烈な「紫外線ダメージ」と暑さ

夏場の強い紫外線は、犬の角膜(目の透明な膜)にも大きなダメージを与えます。特に日中の屋外活動やお散歩では、紫外線による眼表面の炎症(角膜炎)が誘発されやすくなります。
3. 草むらや異物による「物理的な傷・アレルギー」
夏〜秋はお散歩コースに草木が繁茂する時期です。草むらに顔を突っ込んだ際に葉っぱやノギ(草の種子)が目に刺さったり、秋の花粉(ブタクサやヨモギなど)が目に入ることでアレルギー性結膜炎を引き起こすケースも後を絶ちません。
■ 見逃さないで!犬が発する「目トラブル」のSOSサイン

犬は目に違和感や痛みを感じると、分かりやすい行動の変化を見せます。以下の症状が見られたら注意が必要です。
[注意すべき代表的な症状]
- 片目または両目をショボショボさせる、まばたきが多い
- 前足で顔や目を頻繁に擦る、床やカーペットに顔を擦りつける
- 目やにが大量に出る(黄色〜緑色のドロッとした目やに、または黒い固まり)
- 白目の部分や瞼(まぶた)の裏が赤く充血している
- 涙が溢れて目元が常に濡れている(涙やけ)
- 光を眩しがり、明るい場所を嫌がる
[特に注意!短頭種(パグ・フレンチブルドッグ・シー・ズーなど)]

目が大きく前に突出している短頭種や、チワワなどは、目と瞼の隙間に異物が入りやすく、角膜に傷がつきやすい傾向があります。角膜の傷(角膜潰瘍)は進行が早いため、早急な治療が必要です。
■ やってはいけない!絶対NGな誤った目の対処法

愛犬の目が赤くなっていると慌ててしまいがちですが、自己判断による処置は非常に危険です。
❌ 人間用の目薬(市販薬・家族の処方薬)を挿す
人間用の目薬には成分や清涼感(メントール)、ステロイドが含まれていることがあり、犬の角膜に傷がある状態でステロイド点眼液を使うと傷が急激に深く進行し、目が穿孔(穴が空く)してしまう恐れがあります。
❌ 乾いたティッシュで目やにを強く擦り取る
乾いたティッシュペーパーの繊維は粗く、デリケートな角膜や瞼を傷つけてしまいます。
■ ご家庭で安全にできる!正しい目のケアと予防法

愛犬の目の健康を守るために、ご自宅で実践できる安全なケア方法をご紹介します。
1. こびりついた目やには「湿らせたガーゼやコットン」で浮かす
目やにを取る際は、ぬるま湯やペット用精製水で十分に湿らせた清潔なコットンをしばらく目元に当て、固まった目やにをふやかしてから優しく拭き取りましょう。
2. エアコンの風向き調整と加湿
風が愛犬のサークルやベッドに直接当たらないよう風向きを調整しましょう。乾燥が気になる場合は加湿器を併用し、目の表面のうるおいを保ちます。
3. お散歩後の「目元チェック」
草むらのあるコースを歩いた後は、目の中にゴミや草が入っていないか、涙が多く出ていないか確認する習慣をつけましょう。
■ まとめ:目やにや赤みが気になる場合は早めにご相談ください

目の異変は「少し赤いだけ」「目やにが出ているだけ」に見えても、角膜潰瘍やブドウ膜炎、緑内障など、速やかな治療を要する病気が隠れていることがあります。
当院では、目の表面の状態観察や涙の量の測定、角膜の傷の有無を調べる検査を行い、その子に合わせた点眼薬の処方を行なっております。
「目を痛がっている」「ショボショボしている」など気になる様子がございましたら、我慢させずに早めにご来院ください。
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